「建物診断」「改修プランについて」
「建物診断」とはここでは「メンテナンス診断」
「耐震診断」「省エネ診断」のことを総称してよびます。
これに「バリアフリー診断」を加えてもよいのですが、改修プランを提示する時に一般的な意味での
<バリアフリー>を加味した設計をするので、ここでは説明ははぶきます。
ⅰ)メンテナンス診断・メンテナンス診断報告書
メンテナンス診断は財)住宅長期保証支援センターで定められた書式のチェックシートに従い、現状を目視によって対象物件の敷地、構造部、外壁、内装、設備などについて調査を行なうことを目標とします。調査前には必ずオーナーにヒヤリングを実施し、不具合を感じている部分の把握を行います。診断を行なう時にはひとつの不具合に対して複数の原因が考えられることが多く、不具合のある部位をあらゆる角度から検討することになるので、現場において目で見ながら診断を下し記録していかなければいけません。この診断では建物の劣化及び雨水の進入に主眼をおきます。雨水の浸入に対しては目視で十分に把握できますが、建物の劣化には白蟻に対する対策が重要となってきます。白蟻対策には専門業者を同道し調査した後、駆除・その他の措置についてエコロジカルな方法を考えます。白蟻対策のプロである野池政宏氏の助言も受けることができます。この調査結果は「メンテナンス診断報告書」として提出します。
ⅱ)耐震診断・改修プラン
公的な耐震診断と補強方法については「木造住宅の耐震診断と補強方法」という国交省の指針があるのでこれに沿って考えていきます。
耐震診断では部屋の間取りや基礎、白蟻による被害の有無、濾水の有無、外壁の仕様、筋交の施工状況などの確認を行なうため、床下や小屋裏等の調査が必要となってきますが、これらはメンテナンス診断時にほとんど実行されています。
耐震診断には一般診断と精密診断があり、私たちは補強の要否をスクリーニングを主目的とした一般診断を行ないます。
精密診断は補強の要否の最終判断並びに補強後の耐震診断を主目的とするため構造技術者によって行なわれることが多くなります。
以上のようなフローで耐震改修工事へと流れてゆく。
フロー図

改修プラン提示のもとになる耐震強度は性能表示等級2以上を採用します(耐震強度1とは建築基準法で定めたものと同等、同じく2とはそれの1.25倍、同じく3とはそれの1.5倍を示します。)
ⅲ)省エネ診断・改修プラン
1979年にいわゆる省エネ法と呼ばれる法律ができるまで、わが国においては「断熱」という発想はほとんどなく、1992年「新省エネ基準」と呼ばれる基準が発表され「そこそこの断熱」が図られるようになりました。
1992年以前に建てられた家のほとんどが結露がひどく、夏暑く冬寒いというような快適とはいいがたい、エネルギーの無駄が多いものとなっています。
1999年には「次世代省エネ基準」と呼ばれる基準が発表されて、この基準レベルが普通となってきています。目標とする温熱環境の性能は性能表示4レベルとします。「自立循環型住宅への設計ガイドライン」というテキストが国交省から発刊されています。
これに沿って技術的なアプローチをします。そのことをクリアすることで快適性の向上やエネルギー消費量の減少が実現されていきます。
具体的に述べると断熱材の厚みの付加、開口部ガラス枠の性能アップ、高性能換気扇の採用などにより改修を行ないます。また調湿性の高い自然素材の仕上材を使用すると結露の低減化につながっていきます。

