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西村敏彦のほらふき・ドンドン
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| 住まい方を創る 第2回 |
| 日本人は器用な国民であるから、非常に几帳面
に物をタタムことができる。フロシキ、タオル、ハンカチ、ワイシャツから布団まで何でもタタンでしまう。しかし、タタムのが上手なのも問題である。上手にタタミ、きれいに収納すると、たくさん収納できるからである。狭い日本の住宅では、きれいに収納できるのは大切なことであり、生活の知恵でもあるのであるが、タタミ、カサネ収納は下の物を使わないことにもつながってくる。そして「死蔵」という問題が発生するのである。 「死蔵」とは片付けられた「モノ」が使われないままに眠っている、収納されたままになっていることである。武者小路規子氏によれば「下駄 箱の1/3は死蔵されているハキモノである」そうな。また、宮脇檀氏によれば「電化製品の3/4は年に一・二回使われるだけ」だそうである。しかし、悲しいかな私たちはこれを捨てられないのである。「モッタイナイ」は当然の感覚であるが、ちょっと便利なだけで買ったり、同じようなものがあるにもかかわらずデザインがかわいいからと買ってみたり、益々「死蔵」は増えてゆくばかりである。 §2.多目的クロークの提案 現在「モノ」の増加に対してクライアントから要求されることが収納空間の増加である。納戸、物置、天袋、地袋、階段下、天井裏、床下、あるいは壁そのものを収納スペースにしていくことは可能である。しかし「もの」が増え続けることを放置して、「死蔵」を蓄積させながらの解決は本来の姿ではない。 実際的な生活動態と考えあわせた時に、例えばLD廻に4.5帖〜6帖程度のプラスワンルームを作り、これを「多目的クローク」と呼ぶ部屋を提案したい。部屋には一方の壁にそって作業台、整理ダンス、鏡台、スチールの書類入れなどを置き、もう一方の壁には造作の物入れをつくるのである。この部屋は庭から洗濯物を取り込み、アイロンをかけ縫い物をする部屋であり、同時に家族の更衣室、化粧室ともなる。朝はいっときに出社や登校などをするため、この部屋は更衣室、化粧室としてラッシュアワーになり、修羅場と化すのである。つまり、このライフスタイルは各々の個室で着替えをしないである。帰宅すると、皆がカバンをこの部屋にお置き、この部屋で外出着から普段着に着替えるのである。したがって、パジャマや下着置場(整理ダンス)が必要になってくる。この部屋には鏡台もありドライヤーもあり便利である。そして、洗濯物もここでアイロンがあてられ、タタまれて、整理ダンスに収められるのである。もう一方の造作の物入れの中にハンガー掛けをつくり、そこに学生服、背広、ブラウスなど(その季節に応じた)必要な洋服が掛けられるのである。もちろん、各自の洋服は自分の個室に収納されているのであるが、その季節に必要な外出着や室内での普段着だけがこのハンガーに掛けられるのである。また、ここには母親の外出時にはエプロンが置かれ、買物カゴの置場ともなるのである。その他の物入れには、裁縫箱、掃除機、新聞、救急箱、旅行用カバン、衣装ケース、アイロン、ミシン、バスタオル類、石鹸、贈物などが収納されている。しかし、これらは「死蔵」されているわけではなく、頻繁に使われるものばかりである。しかも整然と生活に必要なものがここに収納されており、便利に利用されていくのである。 このような部屋があると、隣接するLDにはモノがはみ出さずに、ゆっくりとした「だんらん」をおくることが可能となってくるのである。 次回に続く |
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