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西村敏彦のほらふき・ドンドン

住まい方を創る 第7回
 今回で『住まい方を創る』はひとまず終わります。
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キッチンと食卓はそれらのあり方ひとつで便利にも不便にもなります。また利便性だけでなく家族間の関係や精神的な面に少なからず影響を及ぼします。孤食の問題や食育の必要性は前に述べたとおりです。改めて人の心というものは「食」と深いかかわりがあるという事を実感せざるを得ません。キッチンと食卓の関係でこうでなければならないという事はできません。なぜなら家族関係が千差万別であるからです。しかしどのようなタイプでもメリット・デメリットは必ずあります。これからそれらの事を考えていきましょう。
●オープンかクローズか
 キッチンと食卓のあり方は大きく二つに分けることができる。1つはキッチンと食卓が1つの空間あるオープンタイプ、もう1つはキッチンが独立しているクローズタイプである。オープンタイプのキッチンでは作る人と食べる人が同じ空間にいるため、一体感をもつことができる事が最大のメリットです。おしゃべりをしながら料理やお茶をいれることができたり、みんなでワイワイ言いながら料理を楽しめたりします。しかしオープンタイプでは料理や洗い物のザワザワした音や煙、臭い、汚れ物やゴミといったキッチンの雰囲気すべてを食卓にもちこむことになります。そのためクローズタイプのキッチンを好む人も少なくありません。また、成長過程のいる子供たちのいる家庭と落ち着いた大人ばかりの家庭では当然どちらを選択するかも違ってきます。オープンタイプのキッチンはLDKがワンルームになる事が多く、そのため子供がどこにいても親がキッチンに立つ姿を見ることができます。家族のために愛情をこめて料理を作る親の姿はそれを意識して見ることはないでしょうが、知らないうちに心に焼き付いて残ってゆくものです。子育てにはこういう環境づくりが必要です。一方、クローズタイプのキッチンは大人向きともいえます。料理中に発生する音・煙・臭いを食堂・居間にまで持ち込みたくない、あるいは料理の裏舞台は見せたくない、心おきなく料理を楽しみ、散らかしたあとでも扉の向こうの食卓では落ち着いて食事を楽しみたいという理由でクローズタイプのキッチンを選択される人も多い、その家庭その家族で事情が異なり、更に好みや価値観も違います。その家にあったタイプを充分に検討するのがいいでしょう。
● 対面キッチン!!!
最近、対面キッチンが盛んに取り入れられています。オープンキッチンでありながら、
これまでのDKのように食卓のすぐ脇に流し台があるといった雑然とした様子のものでなく、食卓側は割合と落ち着いた雰囲気になっているのが人気の理由でしょう。更にもう1つの理由として考えられるのはキッチンと食卓のコミュニケーションが取りやすいということです。キッチンとしての独立性を持ちつつも、料理をしながらおしゃべりができたり、食卓や居間の様子を見まわせたりとオープンキッチンの魅力をも持ち合わせています。というといいことばかりのようですが、もう一歩踏み込んで考えてみると必ずしも良い点ばかりでないことがわかります。対面キッチンでは、意外と「つくる人」と「食べる人」に分かれてしまいやすい。キッチン側に食卓をくっつけるように配置すると、片側の人はキッチンへの移動がスムーズですが、もう片方の人は食卓をぐるりと回りこまなければならないので動きにくくなってしまいます。同じ対面式でもキッチンと食堂の行き来がスムーズになるようにキッチンセットと食卓を囲むような回遊的な動線を考えるとキッチンと食卓の関係をよりよくするだけでなく家族関係をもよくする小さな工夫です。
● 対面キッチンのつくり方〜対面キッチンクローズ型の提案
対面キッチンは流し台の背が食堂に向くので、その背面を隠すために壁や収納をつくり
ます。そこでこの部分の工夫が大切であると考えます。手元が食堂から見えないように腰壁をつけたり、壁の奥行を広げて収納にしたりするケースが多いようです。奥行は収納するものや室内の広さによって決まりますが、カウンター天板の形状や収納のつくり方などは様々です。収納を引き出し式にしたり、扉をつけたりするなど色々な工夫の方法があります。食卓の位置によって使い勝手の悪い収納になってしまうこともあるので、使い方をよく考えてから決めましょう。ここで注意したいのはカウンターの高さです。高さをどのようにするかによって食卓とキッチンの関係は変わってきます。使い勝手のみならず、キッチンの見え方など視覚的感覚はカウンターの高さによってずいぶん違うものです。実際に高さを確認しながら、この微妙な関係を演出してみましょう。
 ところで、対面キッチンの良さはオープンでありながらも食卓に落ち着きを与えることができる点にありますが、その反面どうにかならないかなと思うのは魚などを焼いた時の煙です。対面キッチンの場合、食堂・居間を含めたワンルームにすることが多いので、例えばタレカベをつけて煙返しとしても、食堂や居間まで煙や臭いが広がってゆきがちです。そこでコストは少しかかりますが、対面クローズ型DKを提案したい。それは、食堂とキッチンの出入口とカウンターの上に引戸を取り付けるという簡単なことです。普段はオープンにしておきますが、必要に応じて引戸を閉じ、クローズすることができます。引き戸は壁の部分に隠れるようになっているので、オープンした時にも戸の存在を感じさせません。若干、開放性には欠けるかもしれませんが、引戸を使うことにより、オープンにもクローズにもできるという二面性をもったキッチンです。
 

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