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西村敏彦のほらふき・ドンドン
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| カシコイ住まい手をめざして第7回 |
| 耐震偽造問題について 「あってはならない」耐震偽造問題が発覚して以来、少なからず考えてきたことを現時点において整理してみようと思う。 「失われた10年」という言葉がある。これはバブル崩壊からに経済の立ち上がりのの悪さを表現したものである。失ったものは時間ではなく、バブル時代以来「モラル」であるといえよう。何も建築業界ばかりでなく「雪印」「三菱自動車」「BSE問題」・・・<モラルハザード>の問題を社会全体の事として考え、社会や地域をどうするかというパースペクティブな構図の中で今回の問題をとらえないと対症療法的な解決しかならないとおもわれる。その上で私たちははヒトゴトではなく自分たちの問題として、今回のことを考えてみたい。 @)作り手の問題 今更いうまでもないが、「モラル」とは「道徳・倫理」のことである。.作り手やその関係者が社会人としての道徳やプロフェショナルとしての倫理観を持つべきことはいうまでもないことである。トップが高いモラルを持たなければ現場や職人はモラルが低くなり「不正直」な仕事が横行することになる。本来私たちのような地場工務店が強味としてきたのは「モラル」の高さを含めた人間力、プロフェショナルとしての仕事ぶり―いわば「正直さ」である。ただしモラルだけでは限界がある。「モラル」と「システム」を車の両輪と考え、品質管理体制とチェック体制の見直しを行なわなければならない。 私たちは「工務店」として「現場管理」と「現場監理」をきびしくやっています。日々の「現場管理」は職人たちとの信頼関係があるので、現場員は「性善説」で仕事を進めていかなければなりません。そのことがともすれば「甘え」「ゆるみ」につながってゆく可能性があります。そこを「現場監理」で私が「性悪説」的チェックをおこなって補完しています。このシステムを制度化して、例えば工事の節目節目で施主と私が一緒に説明しながらチェック表をもとにチェックしていくような住まい手も参加するような方向で改善していくつもりです。 A)検査制度の問題 今回の問題は当事者のモラルの欠如に加え、検査制度への信頼失墜が問題を大きくしています。私たちは「安い・早い・ゆるい」を基準に確認審査機関を選ぶのではなく、自社のミスや見逃しを指摘し、差し戻してくれる「厳しさ・的確さ」をものさしにしています。許可印をもらう事が目的ではなく、第三者の目によってダブルチェックをかけることを主眼としています。そのことを証明するエピソードを書いてみます。熊本県荒尾市のM邸の事です。熊本県の確認検査は1回しかなく完了検査だけで中間検査はありません(ちなみに福岡県は中間検査と完了検査と2回あります)。その荒尾市担当の建築主事に中間検査がないことや1回しか検査できないというなら骨格が見える中間検査をおこなうべきだと猛烈に抗議し、特別に中間検査をやってもらいました。完了検査といっても写真検査や書類検査が主で<性悪説>的なものではありません。これでは検査の意味がないと思ったのでそのような行動に出たのです。 私たちは財)住宅保証機構に参加しています。この組織は公共事業の検査官のOBの方が多く、彼らと私たちは建築にたずさわるものとしてお互いに議論しながら検査制度を前向きのものとして活用しようとしています。 B)消費者(住まい手)の問題 消費者の問題を書くのは筆が鈍るのですが、避けては通れません。@)とも関連しますが、私たちは構造見学会を企画しますけれど、完成後のオープンハウスに比べると圧倒的に人気がありません。オープンハウスが30〜80組(50〜150人)だとすれば、構造見学会は2〜5組(4〜10人)です。このことから、地味な構造を見学するのが退屈だということ、消費者の関心は仕上がりや見栄や設備にあるということが理解できます。今回の当該マンションにも外観や設備は「高級感あふれる」ものもありました。予算が決まっている場合、仕上げや設備にコストをかけると住宅の基本的な部分の構造躯体がおろそかになるということは容易に理解できると思います。早く言えば―モノには相場があると言う事です。相場以下のものはウタガッテカカルのが正解だと思います。 住宅は集合住宅であれ戸建住宅であれ一生に一度か二度の大きな買い物です。じっくりと時間をかけるべきです。時間をかけても、アソコもいいしココもいい、どこを選んでよいかわからないという声を聞きます。それは無理のないことです。アマチュアがプロフェショナルを選ぶのですから・・・。家を物づくりだと考えるなら、家づくりの良し悪しはそれにたずさわる人を消費者が見切るがどうかにかかってきます。難しいといえば難しいし、やさしいといえばやさしい。作り手が自分のおくってきた人生というやつを住まい手から判断されるとすれば、それは同時に住まい手も自分の人生の過ごし方で作り手を選んでいるということになります。 作り手として誠実に対応すれば、住まい手が希望することが100パーセントできなかったり、時々きびしい意見がでることがあります。そのような作り手が「ものづくり」のプロフェショナルだと私たちは考えます。何でもデキマス・アレモイイデスネ・コレモイイデスネという営業のネコナデ声のセールストークに乗っかるとアブナイことになるということだけはいえます。 |
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