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西村敏彦のほらふき・ドンドン

NPO九州森林ネットワーク報告 bQ

国産材積極利用のリアリズム(序)

 木材の自給率は20%を切っている。自給自足を是とする観点で見ると、この自給率は異常であると思われる。問題は「日本が森林国で木材資源が豊富に存在するにも関わらず、それらが使われず、森林経営は補助金なしに成り立たない」点にある。
 何故、国産材が使われないのであろうか? つくり手の立場で言えば
価格が外材に比べて高い。(最近(‘06年8月)はあまりかわらなくなっている)
選択の幅が少ない。
品質(乾燥や強度のばらつき)面で不安がある。
ストックが少なく、発注し供給するまでに日数がかかる。
などの理由が考えられる。一方、国産材に好感をもつ消費者は相当数いる。(しかし、自宅に使うまでのモチベーションは希薄である)

このような状況の中で、まず取り組むべき戦略は
●「国産材・地域材ならでは」の価値の追求 
● マーケティング・ブランド化                だと考えられる。

 山元・製材業者としては、まず、材の基本的価値の向上とその情報開示に取り組みたい。流通の合理化や機械化による省力化によって利益率を高めることも必要である。また、山や工場をつくり手や消費者へのアピールの場として使えるよう「テーマパーク・ショールーム化」していくこと、自分の顔を積極的に見せること、材へのこだわりや生産プロセスを「物語化」することなどでも感心と共感を高めることができる。

 流通業者は、国産材の場合は特に「中抜き」されかねない。材の目利き力と提案力が勝負となる。だが逆に、川上と川下の中間にいる流通業者は、マーケティング・ブランド化の担い手や川上・川下双方へのアドバイザーになりうる。消費者への情報提供窓口としても機能できるだろう。

 工務店・設計事務所は「国産材・地域材ならではの価値」を住宅として具体化する役割を担う。そのベースとなるのは「地域ならではの豊かで楽しい暮らし」である。その際、山側・流通との密な連携によって、商品・プラン開発を行なうことで、双方にメリットのあるムダのない木の使い方ができるはずである。一方で、長期的な情報提供によって国産材への関心を高めることも必要である。工務店ならではの手法としてはOB施主の「木の伝道士」がある。地域ならではの暮らしの体現者として、OB施主にイベントなど表に出てもらいコミュニティを広げてもらう。いずれにしても、まず国産材についてポリシーを明確にして、それを関係者に浸透させることが第一である。

 こうした取り組みは一業者・一業態では難しく、ネットワーク活動などによる「知恵の共有」が不可欠となってくる。

 

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