トップ  コラム 西村敏彦のほらふき・ドンドン 家事労働を考慮したすまい
トップページへ戻ります

西村敏彦のほらふき・ドンドン

家事労働を考慮したすまい
 雇用機会均等法の施行や女性の高学歴化などを背景に女性の職業をはじめとした社会進出は目ざましい。家庭婦人の就労率も過半数を超え、今後益々増加するものと考えられる。
その中でも子どものいる共働き家庭の主婦にとって、家事労働は大きな負担であり、家族の協力が是非とも必要である。また、子どもの家事手伝いはアメリカの家庭等に比べるとわが国は勉強優先で家族の一員として家事分担を行っていないし、成人にも子どもにも家庭における家事教育がなされていないため、家事能力が低いと考えられる。
 これまでのすまいは一日主婦が家にいること、家事は主婦が行うことを前提に考えられてきた。これからのすまいは日中の家族の不在、家事時間の少なさ、家事労働の合理化といった視点から考えなければならない。
*         *         *
 子どもを育てながら共働きする女性の抱える問題は多い。幼い子どものいる場合にはより深刻である。時間を気にしながら終業時間きっかりに職場を飛びだし、保育所に駆け込み、子どもを引き取り、夕食、入浴、就寝の世話と息つくひまもない。そして世話をしながらも子どもの話し相手になり、本の読み聞かせなど子どもとも心の交流にも気を配る。家に帰ってきた時に、部屋はきれいに片付き夕食の支度もできていて、洗濯物も取り込んでたたんであり、お風呂もすぐ入れる状態になっていたらどんなに楽なことであろう。これだけのことを子どもに注意の目を向けながら、一人でやりこなさなければならない。
 フルタイムで働く主婦の場合、「家事育児で夫の手をわずらわせたくない」「働くことで十分に家事ができないことを後ろめたく思う」といった良妻賢母意識も根強く心にあるため、歯をくいしばって、睡眠時間を削ってまで家族のためにと家事をこなし、身体を壊したり、極度の疲労に陥っている。そうした生活を避けるためにパートタイマーを選ぶ主婦も多いが、本来は“夫や子どもの家事協力(分担)をもとに仕事も家庭も充実させる”ことが望ましい。また、女性の側が家事に対して肩の力を抜くことも大事なのである。  子どもたちが、勉強、勉強と追い立てられる今日の風潮の中で、家事の参加している子どもは極めて少ない。そのため、親のそばで手伝いをしていれば当然身につくはずの能力、例えば、自分で調理して食べる能力、衣服を整える能力などが育っていない。こうしたことは子どもにとって不幸なことである。母親に家事労働をまかせて育った男性が、結婚して妻と一緒に家事をする例は少ない。また女性も結婚した途端、家事労働に忙殺されて自分の時間が持てずヒステリー状態になってしまう。
家事労働を嫌がらずに行えるか否かは、生まれ育った環境や親のしつけによるところが大きい。家事労働は子ども自身の成長や発達に欠かせないものという認識をもって、子どもの頃から家事教育をする必要がある。幼児期から小学校低学年の子どもは、手伝いを喜んでやりたがるようになる。しかし、忙しい母親は足でまといになると手伝わせず、子どものやる気は縮んでしまっている。家事をする子どもに育てるには、小学校入学以前から、親が心のゆとりを持って一緒に家事をし、上手にできた時には褒めて、子どもに自分も家族のために役立っている必要な人間なのだという意識をもたせることが大切である。
両親で家事をし、両親で家事教育をおこなって「家事協力は家族の一員として当然」という意識を小さいうちに身につけさせて、子どもたち(夫にも)の家事分担を決めて、例えば夕食の後片付けや掃除の一部を任せることが必要である。
 

Copyright (C) 2007 西村工務店 記事の無断転用を禁じます。
Copyright (C) 2007 nishimura koumuten All Rights Reserved.