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西村敏彦のほらふき・ドンドン

NPO九州森林ネットワーク報告 5
伝統構法私観(U)−1
 第9回のNPО九州森林ネットワークのフォーラムが3月1日に鹿児島で開催された。「『木組みの家』の可能性」と題して伝統工構法がテーマとなった議論が多くかわされた。
講師に構造設計家は山辺豊彦氏、建築家は古川保氏+米谷良章氏といったメンバーをむかえて、いずれも伝統構法の色々な側面を理解し、その技術、技能をエコロジカルな住宅生産システムに生かした家づくりにトライされている面々です。伝統構法を考える場合、構造の問題が重要なポイントであり、その意味で大工職の人々と共に進めてきた実験データなどを紹介しながら、木材を素材としてとらえ、その特性を生かして使う構法として『木組みの家』に取り組んでおられる山辺豊彦氏の講演が興味深かった。
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 建築家・戸塚元雄氏は伝統構法に関する私見を「建築技術2003年11月号」で以下のように述べている。
 「木構造は架構と耐力壁の組み合わせである。その中で架構の役割は耐力壁および水平構面と一体化してこれらを有効に機能させる、A耐力壁が限界に達した後の変形に対して建物を倒壊させず、復元力をもつ。
 接合部の弱さは耐力壁の考え方にもかかわってくる。木組みによる伝統構法の場合、引抜きに対する抵抗力に限界があるため、金物を使う構法よりも体力壁を「弱く」設計して接合部に大きな負担を与えないことが大切である。壁倍率2を超えない程度の壁を数多く分散配置することで、水平力を無理なく分担させるように心掛けるべきである。壁倍率が低ければ耐力壁の量を増やさなければならず、耐力線間隔は必然的に短くなる。そうすれば水平構面の性能もそれほど高くなくて済む。
 仕口は垂直材と水平材によって構成される。したがって、そこでは繊維方向とこれに著角方向の材が互いに接している。針葉樹の場合、横圧縮強さは縦圧縮の10%前後といわれているから、外力が加わり変形が始まると繊維方向の材がこれに直角方向の材に「めり込む」ことになる。木材は繊維方向に直角の局部的圧縮に対して大きな抵抗力を示さないが、そのかわり大変形に至るまで持続的にその抵抗力を維持するし復元力ももっている。この小さな、しかし、粘り強い抵抗が伝統型構法の接合部耐力の源である。ここに緩みやガタがあればこの力は大幅に失われる。「胴突き」や込み栓穴の「引寄せ代」はそのために必要なのである。木材乾燥が大切な理由もまさにここにある。構造体全体に「めり込み」により発生する小さな、粘り強い抵抗力を生み出す箇所をたくさんつくり、そのことによって外力に抵抗しようとするのが伝統型木構造の基本的な考え方である。したがって、材相互の接点を飛躍的に増やす「貫」は伝統型構法にとって極めて有効な部材であり、これを用いた土壁が最もよい耐力壁であるといえる。」
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 このような冷静な論に対して、伝統構法原理主義者ともいうべき人たちがいて、伝統構法に「信仰」といってよいほど盲いている。もともと伝統構法は大工、左官などの職人の技術と経験に基づくカンによるところが大きく「伝統構法であるから性能についてはあいまいでよい」という暴論まで出てくる。
 このようなラジカリストたちがよく口にする言葉があるが3つだけピックアップしてみる。
「基礎は鉄筋コンクリート造より礎石がよく柱はその上に乗せるだけでよい。基礎と建物を緊結しないから、地震の時建物はピョンと動いて壊れない」
「木造は個々の部材は弱いが『総持ち』なので強くなっている」
「通し柱に差しガモイと定固めをしっかり組めば壁などなくても強い」
 このような言に対して山辺氏はこう反論する。
                               次回につづく
 久しぶりに書いてみました。・・・・・
 

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