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西村敏彦のほらふき・ドンドン
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| NPO九州森林ネットワーク報告 5−2 | |
| 伝統構法私観(U)−2 伝統構法の原理主義者たちがよく口にする言葉のうち3つをピックアップしてみる。 過去の被害例を検証すると、基礎と建物の緊結の必要性は明治時代の濃尾地震の時から 言われてきたらしい。この「ピョンと動く」と言うのは建物が一体となっていなければ起 こりえない現象で、一体成型のモノコックボディの車などにはあり得ることかもしれない。 例えば茶室などのようにごくごく小規模で平面や立面形状がシンプルな場合は一体で動く可能性はないとはいえないかもしれない。しかし、住宅の場合は形状が複雑で2階建や偏心しているプランなどもあり、かなりしっかり床面や壁面を固めたとしても「一体で動く」とは考えにくい。一般的に伝統構法は構造特性が柔らかく、それは長所でもあるのだが、住宅となれば部材断面も小さいので、仕口耐力には限界がある。礎石に柱建の住宅はゆれる方向が建物の部分によって異なり波をうつようにゆれる。特に屋根部分は上下方向にもゆれてねじれ、破壊にもつながりやすい。やはりキチンとした基礎をつくり建物を緊結することが肝要である。 在来構法は耐力壁を抵抗要素と考える単一的構造であるが、伝統構法は軸組みを含め、仕上材、造作材などを含めた構造で個々には弱くても数多く重なると一定の耐力を発揮するという考え方が『総持ち』と言われる考え方である。在来構法もちがった意味での『総持ち』である。基本要素の積み上げが集合して「部分」をつくり「全体」につながっている。(これが科学の考え方である)一見意味がないようでも一つ一つの要素を検証して積み上げて建物全体を評価してゆくという姿勢が大事である。ハナッから『総持ち』という言葉を出してくると、細かな要素に分解して各々を検証するという姿勢を否定するようなニュアンスがある。現代において、あたかも何か魔法のような力があるような『総持ち』という言葉をつかうのはいかがなものだろうか? 通し柱は強いと言うのはよく聞く。上棟時に通し柱を用いると、軸組みが安定し、人の力で押した時「ビクともしない」という実感から言われることだろう。人間の力と地震力では力の大きさは比較にならない。何百年も経ている寺社建築などでは柱は太く,梁や足固めの断面は大きい。この場合、柱自身にも傾斜復元力という特性があり、揺れにくくなるが、一般住宅の柱は寺社建築の柱ほど太くない。これに梁を差し込んだ仕口での断面欠損が激しい柱は強いのだろうか?ガチッと組んだ仕口の耐力はどのくらいあるのだろうか?過去に「通し柱+小壁つきの差し鴨居+足固め」の軸組みで耐力試験を行なったが、一般的に使われる4寸角の柱では耐力不足で6寸角は必要であった。ということは4寸角の柱を使用するならば、耐力壁も必要ということになってくる。
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