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野池政宏のこらこらコラム

「自分と家族の健康を守るのは時としてエゴになる?」
 いきなりだが、「環境と健康」という結構シビアな話から連載を始めたい。
 私は「環境問題」「健康問題」というのは別に考えたほうがよいと思っている。健康問題のほうは「いまの自分と家族の健康に関する問題」という意味。ここには2つの特徴がある。ひとつは「考える範囲が自分および家族」というところと、もうひとつは「考える範囲が自分たちが生きている時間(せいぜい自分の子供が生きている時間)」ということ。 環境問題のほうは「範囲」も「時間」も広くて長い。「あるある大辞典」というテレビ番組は「健康問題」のほうを扱っていて決して環境問題番組ではない、といえばわかりやすいかな?  自分や自分の家族の健康を守りたい、という欲求はあって当然。これがない人はちょっとオカシイ。でも自分と自分の家族の健康さえ守れればよい、と思うのは、これもオカシイ。ここまではOK?  さて。日本人の健康状態を冷静に眺めてみる。いろいろ言われてるけど、少なくとも肉体の健康状態は諸外国に比べてすこぶる良い、と見てよいだろう。平均寿命は世界最高水準。ガンで死ぬ 人が多くなっている、という指摘はある。でもこれは寿命が伸びたことと大きな関係がある。とにかく日本人は肉体的健康の度合いは相当なレベルにある。
 これ以上日本人は何を求めたいのか、と思う。「健康のためなら死ねる」というブラックジョークはもうおもしろくないが、ずっと続いている健康ブームはかなり偏執的である。ちなみに「あるある大辞典」をずっと観ている人は「だったらいろんな食べ物を食べるのが健康に良いということじゃないか」とすでに気がついているはずだ。食べ物に関してはもうまったくその通りだと思う。「これだけ」という発想ではなく、いろんなものをとればよいのだ。
 こういう反論があるかもしれない。「化学物質に汚染された世代の人の寿命は短いのではないか?」。もちろん将来を見てみないとわからないが、そんなことは決してないと思う。何かを賭けてもよい。  化学物質に頼りすぎているのは間違いない。でもたとえば野菜の問題で言えば農薬や化学肥料は、健康への影響よりも地力の問題のほうが大きいと思う。地力というのは畑や田んぼの土壌の生産性のこと。農薬や化学肥料に頼ってしまうと、継続的に農作物を生産できなくなる。土壌は微生物によって「豊か」にすべきなのだ。僕は有機野菜をなるべく買うことにしているのだが、それは自分たちの健康のこともあるがどちらかというと畑の継続的な生産性のことを考えてのことだ。  もうひとつ反論があるだろう。それは「まずは身近かなところから環境問題を考えるべきであり、それにはまず自分たちの健康を守るという発想が大切」というようなもの。これはタダシイ。でもそのことばかり考えているとマチガイを起こすこともある。何ごとも全体的な視野をもってのバランスが大切なのだ。続きは次回に。
 

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